アイデアコンペのメイキング(3)

マスコミへの対応(広報について)

ちらし2記事
チラシ(提案者用)

前回は実行委員会の立ち上げまで記述しました。今回はアイデアコンペの公募要項をHPに公表し、記者クラブに記事を投げ込む等、マスコミへの広報を中心に記述します。 但し、私の目から見たメイキングであることをお断りしておきます。

第3章 マスコミへの対応

        
  • コンペの公募要項の検討
  • ・当初の公募要項に対して、みんなの意見等で修正した個所を明記しておきます。
    ・タイトル「広島市中央公園2050アイデアコンペ」から「被爆100年」としました。 被爆100年は西暦2045年ですが、2050年をイメージするよりも被爆100年の方が区切りとしてインパクトがあります。
    ・海外からの提案参加も可能にしようということで、急きょ公募要項の英訳をお願いすることにしました。広島は世界的に注目されている都市だから、興味を持つ外国人も多いであろうと思いました。ただ、海外から応募があった場合の対応を考えると二の足を踏んでいたのですが、実行委員会会長の強い意向もあり、踏み切ることにしました。
    英訳を誰に頼むか?金さえ払えば、やってくれるところはいくらでもありますが、安価で有能な人にお願いしなければなりません。後援依頼で登場した都市計画学会支部長M氏の仲介により、英訳者を見つけることができました。
    ・投票に参加するための個人協賛の金額も、スタート時は5000円としていましたが、あまりにハードルが高すぎるということで1000円に値下げしました。一人でも多くの人に参加してもらいたいという思いですが、金額だけでなく振込み手続きの煩雑さもネックとなったように思います。

    ちらし2記事
    チラシ(投票者用)
  • チラシの作成
  • ・コンペの公募要項も固まり、広く一般市民に周知するためにはチラシが必要となります。当初は自前で刷ることも考えましたが、どうしても野暮ったいものになってしまいます。そこで、協力者T氏の出版社の力を拝借することにしました。
    ・コンペの提案者向けと投票者向けのチラシを作成することにし、投票者向けは対象が一般市民だから、柔らかいデザインにするようお願いしました。 「夢を選んでください」というキャッチ・コピーと共に平和を願って折鶴を投票している楽しそうな親子が描かれています。大いに気に入り、即採用となりました。
    ・作成部数は配布先を想定して、3000部としましたが、500部ぐらいは残ったでしょうか。4月末に刷り上ってきました。

  • ホームページの掲載
  • ・ホームページのスタイルは事前に私用のパソコンでスタディしていました。事務局のパソコンに掲載できるようにホームページのアドレスを開設し、ホームページ作成用のソフトを使ってホームページを作成しました。後はホームページの完成を待って、サーバーのホスト・コンピューターにアップロードするだけです。
    ・4月中旬以降、順次ホームページを掲載し、最後の公募要綱の英訳は4月末に掲載することができました。

  • 広報について
  • ・チラシもでき、公募要綱等もHPに掲載すれば、次は報道資料を記者クラブに投込むタイミングです。記者クラブも県政記者クラブ、市政記者クラブ、広島経済記者クラブ等複数あります。
    ・新聞記者等のマスコミ関係者とのパイプがなかったので、どうすればよいのか全くの手探り状態です。とりあえず経済記者クラブと市政記者クラブに資料を5月の連休明けに投込むことにしました。
    ・投込む資料は報道資料(1枚)、チラシ、実行委員会と広島平和記念都市建設法の概要(1枚)です。1枚の報道資料はコンペの趣旨、主催者、後援者、参加資格、賞金、スケジュール等を簡潔に記載してものですが、これで果たしてどの程度伝わるものか不安でした。
    ・最初の記事投げ込みで、産経新聞、中国新聞、読売新聞から電話による問合せがあり、それぞれアイデアコンペ募集の記事を掲載してもらいました。
    ・問合せの主な内容は、「成果品をどうするのか?」、「広島市との関係は?」、「実施のきっかけは?」、「旧球場跡地利用の動きとの関係は?」、「賞金は誰が出すの?」、「実行委員会のメンバーは?」等々です。記者の眼は、広島市の旧球場跡地利用の動きとの関連に注目が集まっていました。
    ・その後もイベントの節目毎に投げ込みを行い、通算8回投げ込んでいます。 7月15日にアイデアコンペの応募を締切り、応募状況の紹介及び作品展示会と公開プレゼンテーションの案内の報道資料(第3回目)を作成しました。記者クラブへの投げ込みとは別に、テレビ局、新聞社等の報道機関にファックスを送っています。
    ・その効果があったのか、RCC(中国放送)のラジオ放送で作品展示会の紹介があったようです。TSS(テレビ新広島)からも展示会場の取材にカメラが入るという連絡がありましたが、直前にキャンセルとなりました。
    ・7月22日には中国放送のテレビ営業部次長にアイデアコンペのPRに行きました。できれば、アイデアコンペをテレビで取り上げてもらいたいと思ったのですが、願いは届かず。8月22日にはTSSの報道部専任部長にも説明に行きました。
    ・8月8日にアイデアコンペの第1次投票結果と公開プレゼンテーションを案内した報道資料(第4回目)を記者クラブへ投げ込み、公開プレゼンテーションの直前にも報道資料(第5回目)を報道機関にファックスしました。公開プレゼンはテレビ局が2社、新聞社が3社、取材に来ていましたが、当日はバタバタしていて満足な対応はできません。
    ・入賞者が決定した後、アイデアコンペの総括として行った作品展示会と入賞者による公開討論会を案内する報道資料(第7回目)を投込みました。討論会当日にはNHKの取材クルーがカメラを回していましたが、こちらも手一杯で十分な対応ができず、結局没になりました。
    ・アイデアコンペの成果をまとめた報告書を作成し、12月19日に広島市の担当課に提出しました。提出前に報道資料(第8回目)を投込んで、提出後に記者会見を想定していましたが、日程が合わず、提出後に投込むことになりました。記者会見を開いても、どの程度の関心が集まったかは分かりませんが、できなかったのは心残りとなっています。       

     
  • 広報の成果
  • ・5月9日付の第1回目の報道資料の投げ込みに対して、3紙に記事が掲載されました。産経新聞(5/17付)中国新聞(6/2付)読売新聞(6/17付)
    ・作品展示会を案内した7月20日付の報道資料(第3回目)に対して、3紙が会場に来てくれて、取材に応じました。毎日新聞(7/25付)、中国新聞(7/25付)、広島経済レポート
     RCCのラジオで展示会の案内があったから、会場に寄ってみたという人もいました。
    ・9月10日の公開プレゼンテーション会場にはTSSと広島ホームテレビの取材クルーが入りました。ホームテレビの方は実行委員会会長のインタビューも収録しました。TSSからもインタビューの要請がありましたが、公開プレゼン開幕直前のため遠慮してもらいました。ホームテレビの夕方のニュースで公開プレゼン風景等が放映されたという話を聞きました。
    朝のNHKラジオで公開プレゼンの紹介を聞き、心強く思いました。
    新聞は3紙に掲載されています。中国新聞(9/11付)、毎日新聞(9/11付)、読売新聞(9/27付)
    ・10月の作品展示会と公開討論会では2紙に掲載されています。読売新聞(10/16付)、産経新聞(10/17付)

雑感

報道資料を投げ込んでも、取り上げてもらえる確率は少ないことを体験しました。今回新聞等に通算11回掲載されたのはよく健闘した方だという評価をある人からもらいましたが、客観的にはどうでしょう。
テレビもカメラ撮りまではしても、放映されるかどうかは未定です。報道するに値するか否か、内容が問われます。取材する人に内容をよく理解しておいてもらわないと没になる可能性が高くなります。
そのための記者レクは必要不可欠であり、日頃からの付き合いも大事にしておいた方がよさそうです。
中国放送のテレビ営業部次長に売り込みに行ったとき、「企画はどこがやっているの?」という質問を受けました。一般的にこの種のイベントはイベント会社が担当することが多いのを知りました。
もしイベント会社に発注していたら、どの位の費用がかかったであろうかと余計な計算が頭をよぎりました。コンペの実施作品展示会公開プレゼン公開討論会報告書等、一式2000万円位でしょうか?
我々はその10分の1以下(賞金90万円を含む)で、やり遂げたのだから、自分たちに「よくやった!」と褒めてやりたい気分です。
次回は実行委員会の動きを中心に述べる予定です。   

*ちょっとコーヒーブレイク : 『生きてる喜び

  (2012.4.1 記載)
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