概要
- 日時等 ・日時:平成23年9月10日(土)13:30〜17:00
- 実行委員長あいさつ アイデアコンペの概要と経緯の説明、特別審査委員及び特別賞の紹介
- 上位5者のプレゼン 提案者の説明及び質疑応答
- 第2次投票 上記のプレゼン終了後、会場での第2次投票
- 特別賞2者のプレゼン 審査委員により選定された特別賞作品の説明
- 投票結果発表 投票用はがきによる事前投票と会場投票を集計し、得票数の多い順に最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作2点を発表
- 表彰式 実行委員長より受賞者に表彰状を授与及び受賞者謝辞、審査委員長講評等
・場所:広島県立美術館地下1階講堂
プレゼンテーション
第1次投票による上位5者が提案内容を説明し、審査員及び会場から質問を受けます。
- 作品番号2 ・「ピース・リング・パーク」のタイトル通り、平和の軸線上に大きなリングを配置し、未来の平和の象徴とする。
- 作品番号5 ・未来への伝言板、球場の保存、市民球場記念ホール、とこしえの停留場、ヒロシマの樹等、H研究会のアイデアを寄せ集めた提案である。
- 作品番号16 ・起伏のある一枚のプレート(人工地盤)を設けて、周辺環境と一体となった開放的な公共空間は未来のイメージを創出する。
- 作品番号30 ・広域的な現状分析を踏まえ、水辺の環境整備、文化施設の集約配置、市民球場跡地に音楽堂等を提案する。
- 作品番号61 ・「ひとつながりの街」と題して、道により分断された既存のエリアをつなげる道を設けることにより、たくさんの物語を生み出そうという提案である。
・アリーナ、スタジアム、国際展示場等、中国地方の核として都市基盤を整備し、世界から人が集まる街づくりを目指す。
*対象エリアを周辺まで広げているが、復興のシンボルともいえる基町高層団地は壊すべきと考えるか?
*丹下の軸線についてどう考えるか?
・人車の分離、バリアフリーな広場、既設の文化施設はかぶせたプレートにより統合等々。
*地上空間の環境はどうか?隣接エリアとの境界部分に違和感がないか?
・基町高層団地の再生利用の提言等。
*音楽堂について、他の既存のホールと競合しないか?
*ひとつながりの道はこのエリア内で完結しているが、周辺とのつながりはどうなっているのか?
審査員特別賞のプレゼン
市民の投票による上位5者以外の提案作品から、特別審査員により選定された作品を受賞者が説明します。
- 作品番号12 ・新たに川を掘って平和島を作り、国連の平和機関を誘致し、世界平和の実現を推進する本拠地及び世界交流発信の広場とする。
- 作品番号23 ・建物の屋根を利用してウッドデッキによる丘を作り、祈りの丘として原爆ドーム・平和公園を望む。
*国連機関の誘致には疑問を指摘する意見があり、また、実現性についても問題があるが、世界に平和のメッセージを発信する基地を作ろうというコンセプトは高く評価される。
*川を掘り、中島を作るという発想に度肝を抜かれる。
・丹下の軸線にモールと瞑想空間、スリットから見る原爆ドーム、原爆ドームへの地下通路、歩行者空間の連続性を確保するエッグリング(たまご状歩道橋)等。
*現実的で手堅い提案であり、デザイン力も高い。
表彰式
- 表彰状授与 ・最優秀賞:作品番号5(得票数92票)
- 審査委員長講評 ・平和記念都市ひろしまに相応しいか否かを評価の視点とした。
- 審査員講評 ・広島の特性として川や水をテーマにした提案が多かったが、山をテーマにした提案があっても良かったのではないか。
- 実行委員長あいさつ ・投票により入賞者が決まったが、ノーサイドの気持ちで、これから提案いただいた72作品を整理・分析して報告書にまとめたい。
・優秀賞:作品番号2(得票数43票)、作品番号16(得票数31票)
・佳作:作品番号61(得票数26票)、作品番号30(得票数21票)
・審査員特別賞:作品番号12、作品番号23
・特別賞の選定理由等を説明する。
・今回の提案を今後に活かす方策について検討をお願いしたい。
・街づくりには建築家の役割が重要である。今回のアイデアコンペはすばらしい企画であり、今後も継続してもらいたい。
・今回のアイデアコンペを総括した作品展示会を開催するので、多くの市民に見てもらいたい。
雑感
公開プレゼンテーションと表彰式を終え、アイデアコンペも一段落です。後は報告書の作成と10月の作品展示会(総括)の準備が始まります。
市民コンペの問題点も見えてきましたので、少し頭を冷やして反省しなければなりません。特に、組織票の扱いについては検討が必要のようです。
マスコミの対応も思うように行かなかったのは反省点です。情報を発信しても、戻ってこないケースが多くありました。
相手の身になって、相手が欲しがる内容をタイミングよく提供することが出来れば、解決しそうです。いい勉強をさせてもらいました。
今回のような市民コンペを継続するか否かはじっくり検討しなければなりません。市民からの協賛金でやっていけるか否か。赤字を主催者で負担するのも限界があります。主催者・提案参加者・投票参加者みんながハッピーでなければ、長続きしません。
公開プレゼンの会場でアンケート調査を行いました。まだ細かな分析を行っていませんが、市民参加型のアイデアコンペについては、多くの人が「今後も実施した方がよい」です。投票参加の協賛金1000円についても、「アイデアコンペを実施するためにはやむを得ない妥当な金額である」が多かったようです。
町づくりに市民が参加すべきだと考えておられる意識の高い方は上記のような回答をされるものと思います。ということは、意識の高い人を増やしていけば、良いということになりそうです。
(2011.9.15 記載)