第12章 番外編
- 投票参加者集め ・当初は広島の有力企業等にスポンサーをお願いしたり、会社訪問して協賛金を集めることも考えていました。資金が確保できれば、投票参加資格を無料にすることができ、参加者の募集も容易になります。
- 投票結果の考察
- 第1次投票結果 ・1票につき3作品まで選べるので、得票数のばらつきが広がったが、全体的な傾向としては作品番号の大きい(掲載の順番が遅い)方が不利だったか?パソコン上の審査は、途中で息切れして最後まで到達せずに選ぶか、最後の方はいい加減になりがちです。途中棄権された方も多いと思います。
- 第2次事前投票結果 ・第2次投票は第1次投票で残った上位5者の中から1者を投票します。
- 公開プレゼン会場投票及び第2次投票の結果 ・公開プレゼンを聞いた後、会場で第2次投票をしてもらいました。投票数は53票で、結果は第1次投票1位の者が15票を獲得しトップでした。
- 次回やるとすれば
チラシ(投票者用)
・しかし、市民の投票によるコンペを企業に協力してもらうべき筋のものか否か。企業の方にメリットがあるとは思えません。経済情勢の厳しい中、容易に協力してもらえるとも思えません。
・スポンサーが付くと私たちがやりたいことも、いろいろと気を使わなくてはいけません。とにかく、1回目は私たちの思い通りにやってみて、実績ができれば、社会的にも少しは評価され、協力者も増えることが期待できます。
・そういうことで、今回は市民が最大のスポンサーであり、市民の投票参加費用だけを当てにして実施することにしました。勿論、赤字が出れば、私たちが負担することを覚悟しました。
・結果は第4章で書いた通り惨敗でした。実行委員の身内や友人、提案参加者関係等が大勢を占め、自発的に投票参加された方は数10名でしょうか?
作品展示会投票箱
・結果として、受賞者も前半に偏り、後半からは作品番号61の1者だけでした。作品数が多い場合は、なんらかの審査方法の工夫が必要です。
・作品展示会に足を運び、その場で投票はがきを購入し、作品を見て、その場で投票する人が十数人いました。これが一番手軽で、確実に審査ができそうです。
・提案参加者及び関係者から投票期限直近に駆け込みで投票参加の申込みがありました。提案者としては1票でも多く獲得したい気持ちに駆られます。その心理はよく分かりますが、公平な選挙からは遠のくので、次回からはやめることにします。
・第1次投票で2位につけていた者は○○市民研究会の意見をまとめた提案でした。当然、研究会メンバーの応援を受けて動員を図ったようです。
・その結果、他者を大きく引き離し、断然トップに立ちました。全体の投票数が少ないので、組織票があれば結果にすぐ反映します。
・公開プレゼンを待たずに大勢が決して憤りを感じましたが、ルール違反をしているわけではないので、見過ごすしかありません。
プレゼン会場投票
・ちなみに事前投票1位の者は9票獲得の4位でした。しかし、事前投票の大差が功を奏して、事前投票と会場投票を集計した第2次投票で第1位となり、最優秀賞に選ばれました。
・客観的にみて、会場投票の方が公平な審査結果を示しているように思います。
チラシ(提案者用)
・実施体制も強化しなければいけません。前回はごく仲間内のメンバーで実施しました。臨機応変に機動性はありましたが、裾野の広がりに限界がありました。
・もっと幅広い分野からメンバーを集め、情報が組織的に広がる仕組みを作ります。投票数が4桁台に届かなければ、市民の民意を反映したとは言えません。
・審査方法は市民投票と審査員による審査を加味した方法とします。第1段階をどちらにするか吟味が必要です。どちらにしても投票は提案参加者及び関係者を除外しなければ公平性が保てません。また組織票の扱いも課題です。
・コンペのテーマを何にするか。前回のアイデアコンペの延長線上のテーマにするか、新規に問題提起するか。当面、中央公園にターゲットを絞って、多角的なアプローチをする予定です。
・次回に実施するための環境づくりの一環として、ひろしまのまちづくりレポートを定期的に発行することにしました。このレポートが多くの市民に愛読されるようになれば、アイデアコンペが実施できる環境も整います。
・行政、マスコミ、業界団体、NPO団体、専門家、市民等を巻き込んだ一大イベントとしてアイデアコンペを実施できるのが理想です。そのようなイベントが企画できるノウハウと実力を蓄積していきたいものです。
雑感
アイデアコンペが終了して丁度一年が経ちました。よくやれたものだと今更ながら感心しています。
何がよかったのであろうかと推察するに、一つはタイミングがあります。昨年3月に東日本大震災に見舞われ、日本中が悲嘆に暮れていたなか、34年先の将来の姿を求めるアイデアコンペに光明が射したのではないでしょうか。
もう一つはテーマが良かったことです。被爆100年の広島の中央公園の理想の姿を求めました。被爆を受けて廃土と化し、そこから現在の姿まで復興したけれども、平和記念都市ひろしまを目指して、更に良くしていこうという姿勢に共感されたのではないでしょうか。
「次回やるとすれば」の中で、ハードルの高いことを書きましたが、要はやる気のある人が何人集まるかです。前回の主力メンバーは4人ですが、牽引したのは2人です。それでもなんとかやり遂げることができました。
リスクを恐れていては何もできません。もしこのコンペ関連のイベント一式を外部委託していたら、2000万円ぐらいはかかったのではないでしょうか。そのほとんどをボランティアで実施し、賞金90万円を含めた全体の費用は190万円で収まりました。150万円の赤字を出しましたが、コンペを通じて多くの人たちとのつながりが残りました。
前回の実績を踏まえて、今年もアイデアコンペ第2弾を企画しましたが、環境が整わず断念しました。しかし、代わりにまちづくりレポートを発行することにしました。これまでのつながりをベースにして、その輪を広げていきたいと思います。そして再度アイデアコンペにチャレンジできる日を楽しみにしています。それまで、皆さんには暖かく見守っていただければ幸いです。
*ちょっとコーヒーブレイク : 『広島を愛する人』(2012.10.1 記載)