公募要綱(素案)
6月に市議会は球場廃止条例案を可決し、年内にも球場は解体できる状態になりました。市の整備イメージは事業コンペ優秀賞2案をベースに寄せ集めたもので、どこにでも見られるような平凡なプランです。
これで本当に跡地利用が定まったといえるのでしょうか?もし整備イメージのようなものが完成したら、広島市民の文化度が疑われかねません。
ここは志のある建築家が立ち上がって、真に市民が望む跡地利用計画を提示すべき時ではないでしょうか。
志のある有能な建築家達よ!今こそ立ち上がれ!
広島を愛する市民の心をつかもうではないか!
- 課題
- 趣旨 旧市民球場跡地は中央公園内の南側に位置し、原爆ドームを挟んで平和記念公園と向かい合っています。一角が原爆ドームの世界遺産のバッファゾーン(緩衝地帯)に含まれ、周辺には体育館・図書館・美術館等の文化的な公共施設が配置されています。
- 広場の地下部に原爆ドームと直結する地下空間を設け、象徴的な空間を作る。また地下に有料駐車場を設置する。
- 地上部は市民広場とし、現在の市の計画のコンセプトは参考にする程度とする。
- 球場のメモリアルとして残す場合は、球場正面のスタンド又はファサードを活用する。
- 平和記念公園の軸線を活かす。
- 市の施設(観光案内及びレストラン等)、商工会議所(現在と同規模程度、約15.000?)、劇場(現青少年センターと同規模程度、約5.000?)等の施設を総合的に計画する。
- 地下レベルでシャレオと連結させ、更に県立総合体育館及び北側の中央公園と連結させる。地上レベルではバスセンターと連結させる。
- 周辺の文化的公共施設との連携を図る仕組みを作る。
- 応募要領
- 応募資格
・特になし。一人でもグループでも応募は可能とする。 - 応募規定
・提案用紙のサイズはA4版縦置きとし、4枚以内とする。
・提案内容は文章及びそれを補完する図案等(着色可)で表現する。図案等はコンセプト図・イラスト・図面・写真(コピー可)等、自由とする。
なお、評価はコンセプト、配置図、地階の象徴空間のイメージ図、全景イメージ図に重点を置く。
・別紙にタイトル・住所・氏名・年齢・職業・電話番号・FAX番号・メールアドレスを明記し、添付する。
・提案用紙に応募者の氏名又は氏名が特定できるような表示は記載しない。 - 応募宛先及び問合せ先
・広島の建築を良くする会(仮称)事務局アイデアコンペ係
住所 〒733−0002 広島市西区楠木町1丁目9番7号
問合せ先メール takig.779.sin@knd.biglobe.ne.jp - その他
・応募作品は未発表のものに限る。
・応募作品等の公表に関する権利は主催者が保有する。
・応募作品は返却しない。 - 締切り
・平成22年10月15日(金)(持参の場合は午後5時まで、郵送の場合は当日消印有効) - 全体スケジュール(案)
・応募作品受付 10月12日(火)〜10月15日(金)
・第一次投票 11月1日(月)〜11月5日(金)
・第一次投票結果発表 11月8日(月)
・公開プレゼンテーション 11月13日(土)
・第二次投票及び結果公表 11月13日(土) - 審査方法 基本的に市民の有志の投票により、2段階方式で入賞作品を選定します。
- 賞金
- 最優秀賞 1点 50万円(税込み)
- 優秀賞 3点 各10万円(税込み)
- 主催 広島の建築を良くする会(仮称)
- 後援(予定) (社)広島県建築士会・(社)広島県建築士事務所協会・(社)日本建築家協会中国支部広島地域会・他
- 協賛 ・団体協賛は1口20.000円(税込み)からとします。
この地に最も相応しい公園を求めて
また、旧市民球場は一発の原爆で廃墟と化した広島の復興のシンボルとして、長年の間市民に愛され、希望と勇気を与え続けてきました。その球場を壊して新たな空間を作るとなれば、旧市民球場同等以上のシンボル性が求められます。
原爆ドームを中心に据えて平和記念公園と対峙できる空間であり、広島市民として世界に誇れる空間とすることが望まれます。
例えば、「愛と平和のメッカ」として世界の国々から巡礼者が一生に一度は訪れたくなるような空間です。
そこで、跡地利用計画の基本方針として下記の計画条件を設定します。多くの方々の参加をいただき、素晴らしい提案が生まれることを願っております。
なお、アイデアコンペですので、提案いただいた内容が実現するとは限らないことをお断りします。
まず応募者の提案作品を展示及びインターネットに掲載して、市民の有志の投票により5点程度を選定します。
次に選定された者による公開プレゼンテーション及び質疑応答を行い、市民の有志のうち会場参加者の投票結果により入選作品を特定します。
・個人協賛は1口5.000円(税込み)からとします。
なお、個人協賛をいただいた市民の有志には、審査における投票権(1票)を付与します。
雑感
(アイデアコンペのねらい)
私は旧市民球場跡地担当課に市の整備イメージ(森のパビリオン・折り鶴ホール・外野スタンド等)を一度白紙に戻して、発注条件・設計条件等を整理し、世界的なコンペを実施してはどうかという意見を出しました。
市の回答は、これまで市民の意見を取り入れながら手順を踏んでいるので、このまま進めるしかないということです。
私が願うのは、市民として世界に誇れる公園を作って欲しいということです。市民が身銭を切ってでも作って欲しいという機運を盛り上げることです。旧市民球場はそうやって出来上がりました。
今回のアイデアコンペは現在の整備イメージを凌駕する案を導き出して、市民に提示し、市民の盛り上がりによって、市が設計コンペに方向転換せざるを得ない状況を作ることです。
このアイデアコンペの一番の特色は、審査方法です。その道の権威者(学識経験者等)を審査員に選び、審査結果に箔をつけるのが一般的な方法です。
今回は一般市民から協賛者を募り、その者に審査の投票権を与えて、市民が参加するコンペを試みようとしています。
プロでない人が公平で客観的な評価が出来るのか疑問を持つ方も多かろうと思います。しかし、協賛者はこのテーマに興味を持っている人であり、広島をこよなく愛している方々です。
この市民の有志の判断に大きな狂いはないと信じます。なにより市民が参加することにより、市民の盛り上がりが期待できます。
このアイデアコンペを成功に導くためにはパワーが要求されます。応募者がいなければ意味がありません。資金的にも協賛者を増やしていかなければなりません。
若き有能な建築家にどれだけ浸透させることができるか。市民の興味をどれほど集めることができるか。
マスコミ等の協力を得ながら、アイデアコンペの趣旨をいかに広く周知させることができるかに命運がかかっています。
(2010.8.15 記載)