- Who(誰が) TQMは、経営戦略上の品質のマネジメントシステムだから、採用するか否かは会社の経営責任者等が決定します。
- Why(なぜ) 競争社会の厳しい経営環境の中で、企業として生き抜くためには顧客満足度を高め、品質を保証する体制が求められています。
- When(いつ) 会社の経営戦略としてのTQM(ISO9000シリーズの適用等)は役員会議等で揉んで、株主総会に諮り、議決します。
- Where(どこで) 作戦を立てるのは机上ですが、実行するのは現場です。会社の企画室・戦略室等の担当部署がTQMの案を作成し、役員会議等で検討します。
- What(何を) 複数の工種が同時進行する建築現場における施工が順調に進捗するために、品質管理・原価管理・工程管理・安全管理・環境管理等の共通のルールとツールを確立します。
- How(どのように) ISO9001とは、組織が品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持することです。また、そのシステムの有効性を継続的に改善するために要求される規格です。
一方、建築現場は受注したゼネコンを中心に各種の専門工事業者が協力して現場の体制を編成しています。更に下請・孫請といった重層構造になっています。
他方、発注者と設計者が絡み、それぞれのマネジメントシステムを振りかざしてくるので、現場全体の整合性の取れたシステムを構築することは至難の技です。
現場の職人達を動かしているのは、ゼネコンの現場責任者です。発注者や設計者との意思の疎通を図りながら、現場の品質管理システムを確立し、推進させているのはゼネコンの現場責任者ということになります。
顧客は安くて良いものを求めています。企業は顧客の求める品質を経済的に提供するため、会社の方針として品質全体を管理する仕組み(TQM)を採用しました。
現場の建築生産においても同様です。発注者の求める品質・性能を工期内に、安全に、適正な価格で完成させることが目標です。品質管理・原価管理・工程管理・安全管理・環境管理等をバランスよく組み合わせた品質管理システムが求められます。
建築現場ではスタート時点において、元請ゼネコンのTQMに則した現場単位の品質管理システムを作り上げていきます。
建築現場では元請ゼネコンの現場代理人を中心にして、発注者・設計者等の関係者が協議の上、品質管理システムを合意します。
施工計画書の書き方、情報の伝達方法、記録のとり方、確認の方法等々、現場においてプロセスを明確にし、相互の関係を把握し、一連のプロセスを管理運営できるシステムを構築します。
具体的には、品質方針・品質目標を設定し、その目標を達成するためにプロセスをPDCAサイクルで維持管理・改善していくことです。
PDCAサイクルは、Plan:目標・計画 → Do:実施・運用 → Check:点検・検証 → Action :見直し・展開 → の活動を繰り返しながら、継続的に業務の改善を図っていく管理手法です。
建築現場では、設計図書に表現された品質・性能を形にするために、施工計画書で事前の検討と確認を行い、その計画書に基づいて施工し、一工程の終了時に検査を受けて、必要な手直し等を行いながら、次工程に進みます。工事が完成するまで順次、各工種毎に同様の作業を繰り返します。