第1次審査結果発表

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チラシ(投票者用)
ちらし2記事
チラシ(提案者用)
作品
提案作品
記事
中国新聞(7/25)

8月8日にアイデアコンペの第1次審査結果が公表されました。72作品の力作が並び、その中から3点以内の作品を選んで投票してもらい、集計結果、上位5者が選ばれます。
投票参加資格者322名のうち、185名の有効投票がありました。締切り以降も投票用はがきが届きましたが、どこかで線を引かなければなりません。審査委員会の前日までを有効とし、翌日以降は無効となりました。
今回は、提案作品を締め切ってから、投票結果が出るところまでを整理し、分析してみたいと思います。

提案作品

予想を大幅に上回る提案件数とレベルの高い作品です。提案に参加された方々に敬意を表したいと思います。これほどまでに盛り上がった要因は何でしょうか。

        
  • 提案者事前登録
  • 事前登録 ・関東の学生がダントツで、2番が広島県のその他、3番が広島県の学生です。
    ・職種別では、学生が半数、その他、建築家の順です。
    ・地域別では、関東、広島県、近畿の順です。
    ・関東の大学では、学生の設計課題にされたところが数校あったようです。

  • 提案者の特性
  • 提案者数 ・事前登録の8割強の人が提案に参加されたのは、非常に高い数字だと思います。
    ・特に広島県の9割強の参加率は、地元ならではの意識の高さでしょうか。
    ・職種別では、事前登録と同じ傾向です。
    ・地域別では、広島県と関東が同数で並び、3番が近畿の順です。

  • 提案作品の分類
  • ・形の提案としては、丘を作る、川や島を作る、シンボルタワーを作る、スタジアム等を作る、各ゾーンをリンクで結ぶ、草花・木・森・池等の自然を活かす、・・・多岐に亘っている。
    ・機能としては、広島の歴史を記憶に留める装置、広島の地勢を活かす装置、平和を記念する装置、賑わいを創出する装置等。
    ・多くの作品はコンセプトに基づき、複合的な提案をしている。

作品展示会

展示会1
作品展示(趣旨説明)
展示会1
作品展示
展示会1
投票箱

提案作品がすばらしいので、急遽、会場を探して広く一般市民にも見ていただけるように作品展示会を開催しました。勿論、マスコミを通じてのPR効果も期待しています。

        
  • 作品展示会概要
  • ・会場は広島市まちづくり交流プラザ1階エントランスホール、期間は7月24日(日)〜26日(火)の3日間。
    ・第1面にアイデアコンペの趣旨、投票方法、対象地区の歴史的な変遷、特別審査委員、実行委員会等について説明。
    ・第2面以降、72の提案作品をパネルに展示。スペースが狭いため、4段の配置となる。
    ・最下段はしゃがまなければ見えないので、素通りされる可能性が高い。反省点である。

  • 投票参加手続き及び投票
  • ・投票に参加するためには、郵便局へ行って振り込まなければならない。その手続きが煩雑なので、会場で申し込めるようにした。
    ・ホームページに掲載された作品を見るのは一苦労である。展示会場で全作品を見比べて選定し、その場で投票ができるようにした。

第1次投票

投票参加資格者322名のうち、有効投票は185名で、投票率は6割弱です。締切り後にも約20枚のはがきが届きました。投票の受付期間が短すぎた点を反省しています。

        
  • 投票方法
  • ・投票参加するためには1000円の個人協賛が必要であり、投票参加資格を持った人が投票できる。
    ・72作品の中から優秀と思われる3点以内を選んで、投票用はがきで投票する。
    ・基本的にはHPに掲載された作品の画像を見て選択する。
    ・3点選ぶ際に、参考として評価の着眼点を設けている。

  • 投票結果
  • ・作品数が多く、しかもレベルが高いので、票が割れている。特に3位以下は激戦で、同数の順位が多い。
    ・提案者の身内等に投票を依頼する組織票はあると思うが、その程度はやむを得ない。
    ・コメント欄には、提案内容の豊富さに驚嘆する声、評価の着眼点に対する意見(集客力の評価軸が欲しい等)、HP上では読みにくい、投票の期間が短い、等々の意見がある。

審査委員会

特別審査委員には第三者的な立場で、投票結果の審査と投票によらない特別賞の選定をしていただくことにしています。

        
  • 投票結果の審査
  • ・事務局による投票の集計結果を確認し、第2次提案に進む上位5者を決定する。

  • 特別賞の審議
  • ・最優秀賞1点、優秀賞2点は、上位5者の中から第2次投票を行い、その結果により選定される。
    ・特別賞は投票ではなく、上位5者以外の中から特別審査員により選定される。
    ・特別賞の選定基準は設定されていないので、審査委員の議論の中で合意形成がなされる。
    ・特別賞を設けた切っ掛けは、見栄えの良い作品が投票で選ばれるであろうから、見栄えが多少悪くても内容にきらりと光るものがあれば、表彰しようという主旨でした。しかし、上位5者以外にも優秀な作品が多数残っており、当初の想定とは異なっている。
    どのような視点で選考されるか、審査委員の力量が問われることになる。

雑感

今回の提案作品には多くの人が驚嘆しています。全く実績のない実行委員会の呼びかけに、これほど多くの作品が集まり、その内容が濃いことに、主催者としても予想外でした。
これだけ盛り上がった理由を探してみると、一つは現実的な制約条件をつけずに、自由な発想を求めたことです。提案者は楽しみながら夢を描くことができたのではないでしょうか。
二つは提案書がA4サイズ、4枚以内という条件なので、提案者にあまり負担をかけず手軽に参加できたのではないでしょうか。
三つはスポンサー等もなく、協賛いただいた市民の投票により入選が決まるという、型破りで純粋無垢のアイデアコンペに関心を抱かれたのかもしれません。

コンペを実施する場合は、常識的にはその分野の学識経験者等に審査委員をお願いし、選考に対して権威付けることにより応募者に説得力を与えています。
市民の投票に委ねることには不安もありました。専門的な内容については十分に理解してもらえないだろうし、表面的な見栄えだけによる人気投票に陥る危険性があります。
しかし、今回は広島市中央公園の将来の姿を提案していただくという、市民にも身近で、日常的に興味を持っておられテーマです。イメージ図等を見れば、直感的に判断できるし、大筋において的を射ています。今回の投票結果がそれを証明しています。

提案参加が盛り上がったことにより、コンペの半分は成功したと言えます。残り半分は投票参加の出来如何です。現在の投票参加資格者は300余名ですが、1000名を超えることを目標にしています。
市民の間で議論が高まることを一番の狙いとしていますが、まだまだ道半ばです。新聞等には何度か掲載されましたが、これからはテレビ等に取り上がられ、一般市民レベルまで浸透を図っていかなければなりません。
バックもない、金もない、組織もない、全く無名の実行委員会に頼りになるのはマスコミです。マスコミと上手く付き合う術を身に着けていかなければなりません。

*ちょっとコーヒーブレイク : 『平和記念都市ひろしま

  (2011.8.15 記載)
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