こまちなみシリーズ?可部夢街道
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金沢市は「こまちなみ保存条例」を制定し、「まちの歴史を色濃く残した、ちょっとした良い町並み」を「こまちなみ」として守り、育て、その雰囲気を生かした風格あるまちづくりを進めている。そこで、これに倣って、広島における残しておきたい「こまちなみ」を探訪し、シリーズで紹介する。
- 可部夢街道が危ない!
可部の町並み
JR可部駅から約1キロ北の旭鳳酒造までの街道沿いが会場で、江戸後期から昭和初期にかけて建てられた古民家や商家が多く残っている。可部の町は出雲・石見をつなぐ分岐点に位置し、太田川と三篠川の合流点でもある。戦国期には高松城の城下町として発展し、近世以降は舟運業や鋳物業、山まゆ織、酒・醤油の醸造などが盛んで、物資の集散地として商家町の性格を強めた。
市重要有形文化財の鉄燈籠や城下町の防御のための「折り目」と呼ばれる道筋、商家に残る格子や卯建など歴史と文化を感じさせる。この地区を「可部夢街道」と名付け、歴史散策に訪れる人も増え、ガイド役を務める住民グループ「可部夢街道もてなし隊」も活躍している。
コミュニティサロン
可笑屋
道路は車がスピードを上げて通過し、安心して歩けない。歴史的な町並みを残し、散策者を増やすためには早急に対策が必要だ。可部バイパスも開通したことだし、通過交通は遮断して生活車のみの一方通行とし、歩行者優先の歩いて楽しい夢街道にできないか。
また、「可部夢街道町並みづくりガイドライン」も作られているが、道路沿いの建物は地区住民の同意による建築協定等を結んで、旧街道の面影に少しでも戻す努力をして欲しいと思う。
古民家を改装した「コミュニティサロン可笑屋」がまちづくりの拠点となり、その周囲に残る古民家を中心として夢街道の復元が広がることを期待したい。
雑感
今回の取材のため、「可部カラスの会」のメンバーに会いました。毎月2回夕方、「コミュニティサロン可笑屋」に集まって定例会が開かれています。
会費も会則もなく、まちづくりに興味のある人が気軽に参加できる雰囲気があります。当日は若い人や女性も交じえて7人が参加していました。会が発足して17年も続いているのは牽引している人たちの努力の賜物です。事務局長に聞くと、楽しみながらやっているそうです。
私も可部の住民ですが、普段は旧街道を通ることはありません。用事がないからです。「町めぐり」のイベントには過去2回参加しましたが、その時ばかりは人の行き来が絶えず賑やかでした。が、平日は閑散としています。
「町めぐり」には物珍しさで他所からやってくる人が多いのでしょう。地の人は見慣れているから、何度も足を運ぶことはありません。他所の人もリピーターは少ないのではないでしょうか。一度見れば十分であり、今一つ町並みの魅力も欠けているように思います。
一体どうしたら足が向くようになるでしょうか?
そこで何か買い物ができるようにすることです。酒の醸造所があれば、出来立てを直売したり飲めるようにして、酒屋で買うより安くしてはいかがでしょう。酒好きな人は遠くからでもやってくるのではないでしょうか。
道路は一方通行等の交通規制をしたり、土日は歩行者天国にして、歩いて楽しい環境を作ります。店もできるだけ開放的にし、道路沿いには休憩ができるベンチ等を置きます。空き店舗や空き地にはイベント等ができる仕掛けを用意します。
人が集まってくれば、店も進出してきます。可部夢街道に行けば、何か楽しめる出来事(夢)に出会うことができるようにすればよいと思います。みんなで知恵を出し合えば可能ではないでしょうか。
(2014.8.1 記載)