ジョンレノン・ミュージアム

チケット

2008年10月3日に前職場のOB会があり、上京しました。翌日は東京巡りをすることにしており、上野公園とジョンレノン・ミュージアムに行ってきました。
このミュージアムに行くのは、帰広してから初めてで3年振りとなります。手元にチケットの半券が5枚残っているので、それ以上は入場したことになります。
レストランが無くなっていたのは意外でした。見終わった後、ここでビートルズの曲を聴きながら、ゆったりとした気分で食事するのが至福のひと時でした。しかし客の入りが悪く、撤退を余儀なくされたのでしょう。
ミュージアムの方も一部変化がありました。シアターを出た後の導入部は、キャバンクラブの雰囲気を模した狭い前室がありましたが、撤去されていました。前室は、さあ!これからビートルズの世界に飛び込むぞ!という気分を高揚させる効果がありました。今はすぐにジョンの世界に導かれます。
ミュージアムも時と共に成長し、変化していくものです。今回はミュージアムの概要を体験を通して紹介することにします。

施設概要

正面
ミュージアム外観

  • 場所:さいたまスーパーアリーナ内、4階及び5階、総床面積は3,600?
  • オープン:2000年10月9日(ジョン60歳の誕生日)
  • 展示品:ジョンが使った楽器や衣装、直筆の作詞原稿や絵画、写真・映像・音楽等
  • 順路:シアター→常設展示室→ファイナル・ルーム→イベント・ルーム→ミュージアム・ショップ→ミュージアム・ラウンジ
  • 運営:大成建設の文化事業

展示内容

ミュージアムでは最初にシアターに入り、イントロダクションとしてジョンの生涯を7分の映像で紹介します。シアターを出てから展示が始まります。9つの展示ゾーンとファイナル・ルームからなり、オノ・ヨーコ秘蔵のジョンゆかりの品が展示されています。     

  • 常設展示
  • 受付
    切符売り場
    4階平面
    4階平面
    (ミュージアムHPより)
    5階平面
    5階平面(同上)
    4階展示室
    4階展示室(同上)
    5階展示室
    5階展示室(同上)
    1. 少年時代の記憶
    2. ・生みの母親と父親、育ての伯母の紹介。幼い時に父を選ぶか母を選ぶかの選択をしたトラウマが、後年「マザー」の作品を生む。
      ・他人に見えないことが自分には見え、人とは違う自分(天才)を意識。手作りのミニ新聞やユーモラスな似顔絵が級友の間で回し読みされる。この頃から社会に対する反骨精神が芽生えていた。

    3. ロックンロール
    4. ・当時アメリカで流行っていたロックンロールの虜になる。ジョンが好きだった歌手のアルバムを展示。
      ・ポールとジョージとの出会い、レコードデビューまでの下積み時代。「ポールはエルビスに似てたから気に入った」という程、エルビスに憧れていた。

    5. ザ・ビートルズ
    6. ・ビートルズとしての活動状況を示すレコードや世界のコンサート会場分布図、衣装やギター等を展示。
      ・初期から中期、そして後期へビートルズの変遷がわかる。初の世界衛星生中継番組「アワ・ワールド」で発表した「愛こそはすべて」が4階の展示の終わり。エスカレーターで5階へ。

    7. ジョンとヨーコの出会い
    8. ・ヨーコの幼少期の紹介から始まり、ジョンとヨーコの出会いのきっかけとなったアート作品「天井に書かれた『YES』」と本「グレープフルーツ」を展示。

    9. ラブ・アンド・ピース
    10. ・ジョンとヨーコが二人で作ったアルバムの展示や「ベッドイン」等の平和活動、ビートルズ後期のアルバムを紹介。

    11. イマジン
    12. ・ミュージアムの中で一番ゆったりとした空間。正面上部の壁面には「イマジン」の映像が流れている。当時の活動状況や精神状態を関係者がコメントする映像は前に立つと流れる仕組み。

    13. ニューヨーク・シティ
    14. ・ニューヨークに移住し、ラディカルな政治活動をしていた頃。国外退去を命ぜられ、永住権を獲得するためにアメリカ政府と闘っていた。「ワン・トウ・ワン」と呼ばれるチャリティ・コンサートの映像がボリューム一杯に流れている。

    15. 失われた週末
    16. ・FBIには監視され、永住権の裁判も行き詰まり、気分転換にヨーコと別居してロスアンゼルスに滞在。酒に溺れた時期ではあるが、ロックバンドの初心に戻り、アルバム「ロックンロール」を制作。ジョンの手形が置かれ、手を重ねることが出来る。

    17. ハウス・ハズバンド
    18. ・ヨーコとよりを戻し、息子ショーンが誕生。5歳になるまで音楽活動を停止し、主夫業にいそしむ。
      ・家族で来日し、軽井沢等で一家団欒の生活を過ごす。日本文化にも嗜み、「わび」・「さび」等の日本語を覚えるために書いたスケッチが展示。軽井沢での家族写真のスライドが流れる。

    19. ファイナル・ルーム:メッセージ
    20. ・白一色で統一された部屋の壁面(白い壁とガラスの壁)にジョンの歌詞から選んだメッセージが記載されている。白い椅子に腰掛けて、ジョンのメロディを聞きながら、思いに耽る。

  • イベント・ルーム:特別展「ジョン・レノンとリバプール〜青春の記憶〜」
  • 特別展
    特別展
    特別展1
    ジョンの育った家
    リバプールは2007年に創設800周年を迎えました。2008年は欧州文化首都に選ばれ、いろいろなイベントが繰り広げられています。
    時を同じくして、幼少期からのジョンの青春と彼を育てたリバプールを紹介する特別展が開かれていました。
    ・リバプールで過ごした足跡の残る場所のプロット地図、その周辺を俯瞰したジオラマ地図等の展示。土地勘が無いので、ピンとこない。
    ・ジョンが育った家「メンディプス」の精巧な模型・映像・写真・玄関の実物大の模型等の展示。実物大の玄関に入ってみた。この狭い空間の中でジョンとポールはギターの練習をしていたという。
    ・ジョンが通った小学校・中学校・美術大学の写真・映像等の展示。
    ・レコード・デビュー前に、ジョンたちが演奏したリバプール周辺の会場の写真・映像等の展示。

ミュージアム・ショップ

ミュージアム・ショップで購入した品が手元に残っています。以下の他、2002年のビートルズ・カレンダーがあります。   

  • アート作品:スケッチ
  • アート
    アート作品
    シャツ
    シャツ
    本




    メッセージの小冊子
    ジョンの線描画に淡い彩色を施したはがき大のスケッチが5枚。上段左より時計回りに

    ・「イマジン」とも呼ばれるジョンの顔:ジョンのドキュメンタリー映画「イマジン」のアルバムカバーに採用
    ・ジョンとヨーコが抱き合っている
    ・ジョンが雲の上に腰掛けている
    ・ジョンとヨーコは二人でひとつ
    ・「ファミリーツリー」の下で二人が横たわっている:アルバム「ジョンの魂」のカバー写真のイメージ

  • シャツ
  • ジョンの顔を描いた「イマジン」の絵柄がついたシャツ。4着買って1枚は使用済み。

  • メッセージの小冊子
  • ファイナル・ルームで記載されているメッセージを集めたもの。その中の好きな一節

    『心を開いて

    「イエス」と言ってごらん

    すべてを肯定してみると

    答えがみつかるもんだよ』(マインド・ゲームより)

ミュージアム・ラウンジ

ラウンジ
ラウンジ

以前は、ジョンがよく利用していた軽井沢・万平ホテルが運営するカフェ・レストランが入っていました。ちょっぴり高いが、上品で感じの良い雰囲気がありました。私もミュージアムに来るたびに利用していました。
今はミュージアム・ラウンジとなっています。チケットの半券があれば、ジョンやビートルズ関連の書籍・CD・DVDが自由に見れます。ミュージアムでジョンの魂に触れた後、その余韻に浸れる場として用意されました。
ゆったりとしたスペースにソファやテーブルが置かれ、くつろぐことができそうです。

雑感

ジョンレノン・ミュージアムを訪問した10月4日は土曜日でした。これまでは平日に行くことが多く、大抵は空いていたのですが、今回は混んでいました。閑散としているより、ある程度は人気のある方が落ち着きます。今回もじっくりとマイペースで回ってきました。

レストランは誰でも自由に入れるようになっていたのですが、他の施設から孤立してミュージアム専属のような場所のため、採算が取れなかったのでしょう。ミュージアムの客だけを当てにしたのでは、当然の成り行きです。むしろ5年も存続したことに拍手を送ります。品格のあるこの店のファンがいたことは確かです。私もその一人でした。

テレビ
テレビ放映
この日の夜、ホテルの一室で、NHKの番組「探訪ロマン世界遺産」の『ビートルズを生んだ伝説の港町〜イギリス・リバプール〜』を見ました。リバプールは2004年にユネスコ世界遺産都市に登録されています。リバプールの貿易港としての繁栄には光と影があり、大英帝国時代の植民地から集まってくる物資と黒人の人身売買により、巨万の富をもたらしました。その富の象徴として歴史的な建造物が数多く建てられています。

アイルランドからの移民も多く、この地に根付くための辛苦の中で反骨精神が芽生えたそうです。ジョンやポールも確か(?)アイルランド系の血を受け継いでいます。ビートルズの音楽のルーツがブルース(黒人の労働歌)にあると言われていますが、ビートルズ誕生の秘密も奴隷貿易から始まるリバプールの歴史と深い関わりがあるのかも知れません。このテレビと今回のミュージアムを見て、更に興味が湧いてきました。

  (2008.11.1 記載)
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