シンポの概要
- 主催:広島文化会議準備会
- 日時:2009年9月6日(日)13:30〜17:00
- 場所:広島県立美術館地下講堂
- パネリスト等:石丸氏等12名
パネリスト等の紹介
[パネリスト]
- 石丸紀興:広島国際大学工学部教授
- 北野尚人:(株)中国博報堂執行役員・MD統括担当・兼マーケティング部長
- 竹澤雄三:元広島市現代美術館副館長、美術評論家、広島文化会議準備会代表
- 東 琢磨:著述家、文化活動家
- 百々隆雄:(社)広島県観光連盟次長
- 門田大地:RCCテレビ制作プロデューサー
- 山本一隆:中国新聞社代表取締役副社長
- 松田 弘:広島県立美術館次長兼学芸課長[コーディネーター]
[コメンテーター等]
- 若狭利康:広島市中央商店街(振)連合会・青年部会長、NPO法人セトラひろしま理事長
- 松波龍一:(社)日本都市計画学会理事・中国四国支部長
- 古池周文:広島市民球場跡地利用市民研究会代表
- 石丸良道:NPO法人セトラひろしま副理事長
基調報告
「広場から明日の広場へ」(発表者:古池周文)- ヨーロッパの広場 古代ギリシャ時代のアゴラは市民の市場・民会の開催場所で、自然発生的に生まれた広場。
- 日本の広場 日本には西欧的な広場はなく、寺や神社の狭間が広場化。門前の広場、参道の広場、境内の広場等。
- 明日の広場 都市のコアとして平和公園があり、広島における明日の広場は市民球場跡地に平和公園と対峙させる。
古代ローマ時代のフォルムは商業活動、政治・司法の集会、宗教儀式、その他の社会活動が行われる公共広場で、長方形に整然と建物に囲まれている。
中世の城塞都市では教会に広場が併置。ヨーロッパの広場は権力者と結びついた上下の関係が強い。
「明日の広場」とは、私たち市民が主役となり、共に力を合わせて様々な壁を乗り越え、そして希望のある明日に向け、世界に向けて、新しい市民文化を創造し発信していく場。
パネルディスカッション(パネラーの意見要約)
- 石丸 ・広島の歴史を知らずに広島の町作りを提案する人がいる。平和公園のできる経緯等はよく理解しておいて欲しい。
- 北野 ・プロジェクトの面では、都市公園法は規制が多いので、緩和して欲しい。
- 竹澤 ・現代美術館では3年毎にヒロシマ賞を実施。世界はヒロシマの魅力に注目し、協力してくれるが、地元の人が知らない。
- 東 ・明日の広場は行政や企業の立場ではなく、一般市民の文化をサポートする場。イベントが無くても、日常的に楽しめる場であって欲しい。
- 百々 ・球場跡地に折り鶴ホールを置くことは、平和公園の神域の拡大につながるので反対
- 門田 ・球場は昭和の遺産として残し、器の中は折り鶴館として折り鶴を展示してはどうか。イベントとしては高校野球やサッカーのスポーツ等、多目的に利用可。
- 山本 ・先日の衆議院総選挙でも文化・芸術分野のマニュフェストが無い。明日の広場と想定している球場跡地利用についても立候補者の関心なし。
- 古池 ・学校単位の発表会の場。平和公園の来場者を呼び込んで、市民との交流の場
- 松波 ・祭りは、あほらしいことを真面目にやっているところに意味がある。
- 会場より ・グローバルなイベントも日常的なイベントも必要
パネルディスカッション
パネラー
パネラー
・町作りにコミュニティ・アーキテクトが参加できる仕掛けが必要
・具体的な提案としては、平和公園、広大跡地(旧理学部本館)、陸軍被服支廠等のネットワーク化。ヒロシマの復興に対する恩返しの施設整備。屋台文化の特区
・ヨーロッパの公園と広場の違いは、公園は緑と自然、広場は人工的で人が集まる。広島の明日の広場はどうあるべきかを考えることが大事
・プロモーションの面では、市民向けと外部向けの両方に情報を効率よく伝達して、跡地利用計画の動きを的確にアピールする。
・ソフト面の提案では、ワールド・スタンダードとしてノーベル平和賞受賞者を招待したり、世界の著名人(例としてビル・ゲーツ等)に文化芸術のパトロネイジを要請
・ハード面の提案では、言語に依存しないインフォーメーション等、情報のユニバーサル・デザイン化
・明日の広場に箱物は不要で、イベントで対応
・具体的には、現代美術館のヒロシマ賞を明日の広場に誘致
・ローカルとローカルをつないでグローバル化
・提案としては、11月に広島平和祭を開催し、時間軸・空間軸でネットワーク化して、市の回遊性を高める。
・明日の広場の施設としては、公民館のような市民の発表会の場ではインパクトが弱いので、ネットワーク型が望ましい。
・人が集まらない現代美術館は解体し、その売却費用とコンテンツを明日の広場へ投入する。球場跡地の地下に展示室を設置。イベント主体では財政破綻する。
・スタンドはコンサート等の観客席としても利用可。日常的に楽しむ場として、世界にではなく市民に向けた広場であって欲しい。
・もてなしの心(ホスピタリティ)、記憶(ドキュメンタリティ)、祝祭(カーニバル)等、広場で歴史は作られる。
・すべてのイベントを受け入れ可能(特区、条例)とし、世界的な芸術祭・文化祭等、自由に使える場
・都市公園法の枠内でも柔軟な対応が可能だから、あほらしいことをやりたいと発信すべき。参集できるプラットホーム作り、仕組みが大事
・古い建物、汚く使えるところが無いので、雑多なエネルギー感のある場が欲しい。